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論文名 失語症患者の呼称における名詞と動詞の二重解離
論文言語 J
著者名 滝沢 透1), 浅野 紀美子1), 森宗 勧2), 村井 俊哉3), 濱中 淑彦4)
所属 1)京都市リハビリセンター言語室, 2)同 神経内科, 3)京都大学医学部精神医学教室, 4)名古屋市立大学神経精神科
発行 神経心理学:18(2),84─91,2002
受付 1999年1月20日
受理 2001年11月29日
要旨  多数から選び出された失語症患者に名詞と動詞の呼称検査を実施した結果,動詞の呼称が有意に不良な患者が6人,名詞の呼称が有意に不良な患者が5人それぞれ確認された.この二重解離は語彙機構において名詞と動詞が独立して組織化されており,名詞と動詞が失語症患者においてそれぞれ選択的に障害される可能性を示唆していた.名詞の選択的障害は流暢型失語症患者に,動詞の選択的障害は失文法を伴う非流暢型失語症患者にそれぞれ認められるという報告もあるが,我々の呼称検査結果は必ずしもその報告を支持するものではなかった.特に,動詞不良群にWernicke失語症患者が1人含まれていたことから,動詞の選択的障害を失文法だけで説明するのは困難であった.
Keywords 名詞と動詞の産生, 二重解離, 名詞と動詞の選択的障害, 失文法
別刷請求先 〒604-8854 京都市中京区壬生仙念町30 京都市リハビリセンター言語室 滝沢 透


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