|
Full Text of this Article
in Japanese PDF (164K)
|
論文名 |
他者の書字動作の観察による読字のメカニズム─純粋失読症例での検討─ |
論文言語 |
J |
著者名 |
田中 茂樹1)2), 片山 正寛2), 小澤 智子3), 乾 敏郎4) |
所属 |
1)仁愛大学人間学部心理学科, 2)おかたに病院認知神経科学部門, 3)大阪市立総合医療センター, 4)京都大学大学院情報学研究科 |
発行 |
神経心理学:18(2),68─75,2002 |
受付 |
2001年7月23日 |
受理 |
2001年11月9日 |
要旨 |
純粋失読患者が他者の書字動作を観察することによって読字が可能になる現象は,従来いくつかの報告があるがメカニズムについての考察はなされていない.今回我々は典型的な損傷部位をもつ純粋失読の65歳,男性,右利き症例について,他者の空書動作の観察,本人によるなぞり読み及び他者のなぞり動作の観察などの条件下で音読実験を行った.その結果,他者の空書の観察による音読の成績が他の条件よりも良好であった.本症例では他者の書字動作の観察は文字の不十分な視覚情報を補うというよりはむしろ観察した書字動作が自己の書字動作に変換され結果的になぞり読み類似の現象が生じている可能性が高いと考えられた. |
Keywords |
純粋失読, 文字表象, 動作模倣, ミラーニューロン, 縁上回 |
別刷請求先 |
〒619-0224 京都府相楽郡木津町兜台7-11-7 田中茂樹 |
|