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論文名 単漢字の処理における左右半球機能の検討─漢字の構造と音訓を通して─
論文言語 J
著者名 中川 敦子
所属 名古屋市立大学人文社会学部
発行 神経心理学:18(2),120─128,2002
受付 2001年3月15日
受理 2002年1月18日
要旨  漢字1文字に特異な部分読みを呈した症例(樋口ら,1996)を参考に,漢字の2つの属性,つまり訓読み優位か否か,単体か否か(白川,1994)を操作して,健常者を対象に一側視野呈示実験を行った.被験者の課題は,視野中央を凝視したまま,一側視野に呈示される刺激が正しい漢字であるか否かを正確にかつ速く判断することであった.“犬”,“女”などの,訓読み優位でかつ認知に部分の統合を必要としない単体漢字の処理は,右視野(左半球)優位であるという仮説は,単純主効果の検討より支持された.本結果は,1文字でも単語となりえる漢字の表象は,漢字熟語の表象と同様な脳部位に存在する可能性を示唆するものであった.
Keywords 漢字, 大脳半球機能分化, 音訓
別刷請求先 〒467-8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町字山の畑1 名古屋市立大学人文社会学部 中川敦子


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