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論文名 認知リハビリテーション─特に選択的意味記憶障害の直接認知訓練の効果について─
論文言語 J
著者名 加藤 元一郎1), 吉野 文浩2), 斎藤 文恵2)
所属 1)慶応義塾大学医学部精神神経科, 2)東京歯科大学市川総合病院精神神経科
発行 神経心理学:18(3),163─170,2002
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要旨  エピソード記憶の障害が重篤である健忘症の認知リハビリテーションには,刺激法,代償法,そして学習法を変化させることにより新たな連合を学習させようとする方法がある.一方,意味記憶障害に対する認知リハビリテーションについては報告が少ない.本稿では,カテゴリー特異性を有する選択的意味記憶障害を示すヘルペス脳炎後遺症のケースに対して,妻の協力による半構造化された日常生活における直接訓練(everyday life direct training)を施行した結果を報告した.この方法は,言語,視覚,聴覚,味覚,嗅覚,口腔内感覚など多様なモダリティから情報を入力することにより,意味記憶の即通ないし再建を試みる実生活上の反復訓練であると考えられる.しかし,意味記憶障害の明らかな改善は得られなかった.
Keywords 認知リハビリテーション, 選択的意味記憶障害, 直接刺激訓練, 生物カテゴリー, 加工食品
別刷請求先 〒160-8582 東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学医学部精神神経科


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