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論文名 半側空間無視の長期経過とMini-Mental Stateの関連について
論文言語 J
著者名 森田 秋子1), 石合 純夫2)
所属 1)慈誠会徳丸病院リハビリテーション科

2)東京都神経科学総合研究所リハビリテーション研究部門
発行 神経心理学:18(4),212─218,2002
受付 2002年2月18日
受理 2002年4月24日
要旨  リハビリテーション病院入院時に,3種類のスクリーニング検査すべてに所見を認めた典型的な左半側空間無視(以下USN)患者27名の,USNの重症度とMini-Mental State(以下MMS)の得点の推移を,発症3カ月から発症1年にわたり調べ,両者の関係を検討した.USNの検査結果とMMSの得点はいずれの時期にも相関を認めた.入院時からMMSの得点が良好だった群と,入院時は低下していたがその後MMSの得点が改善した群では,USNの検査結果はほぼ同様の改善を示した.しかしMMSが低値にとどまった群では,USNが重度にとどまった者が多かった.USNの改善に知的レベルが関与する可能性が示された.発症初期から回復期リハビリテーション期のUSN患者に対しては,USNだけをターゲットにした訓練だけでなく,全般的な知的レベルへ働きかける訓練の重要性が示唆された.
Keywords 左半側空間無視, Mini-Mental State, 長期予後, リハビリテーション
別刷請求先 〒175-0083 東京都板橋区徳丸2-8-20 慈誠会徳丸病院 森田秋子


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