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論文名 ロールシャッハ・テストによるアルツハイマー型痴呆と健常高齢者の比較
論文言語 J
著者名 二橋 那美子, 小阪 憲司
所属 横浜市立大学医学部精神医学教室
発行 神経心理学:18(4),219─229,2002
受付 2002年3月11日
受理 2002年7月15日
要旨  アルツハイマー型痴呆(DAT)患者35名と健常対照者(C)35名を,包括システムによるロ-ルシャッハ・テストの指標およびクラスターの変数を用いて比較し,DAT患者の特徴を検討した.また,びまん性レビー小体病(DLBD)6症例との比較も行った.DAT群では6つの指標のうち,社会的対処力を除いて差がなく,精神病を疑わせる特徴はみられなかった.統制,情報処理,思考の変数に障害が多く認められ,感情では抑制に,媒介過程では平凡反応と特殊形態のみ,対人知覚では人間反応のみに差が認められたが,自己知覚ではC群との差は認められなかった.

 他のテストとは違い,時間も計らず,図版を見るだけという,患者に対する負担が少ない包括システムによるロ-ルシャッハ・テストは,今後神経心理学的テストとしても役立つものとなるであろう.
Keywords アルツハイマー型痴呆, 包括システムによるロールシャッハ・テスト, 神経心理学, 指標, クラスター
別刷請求先 236-0004 横浜市金沢区福浦3-9 横浜市立大学医学部精神医学教室 小阪憲司


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