|
Full Text of this Article
in Japanese PDF (24K)
|
論文名 |
高齢者の神経心理学 |
論文言語 |
J |
著者名 |
岩田 誠 |
所属 |
東京女子医科大学脳神経センター |
発行 |
神経心理学:19(1),30─34,2003 |
受付 |
|
受理 |
|
要旨 |
高齢者では,画像診断において脳の容積の減少が認められるのが普通であるが,これをもって“脳萎縮”という診断名を告げることは,しばしば患者を抑うつ状態に落ち込ませたり,日常生活上の自信を失わせたりすることにつながり,適切な表現ではない.健常高齢者とアルツハイマー型痴呆患者を詳細に比較した病理学的な検索では,脳重や脳の外見には両者の間で大きな差のないことがわかっている.このような事から考えるなら,形態学的な所見のみで脳の働きをも予測させるような用語を使用することは,避けるべきであろう.
高齢者における神経心理学的検索において最も重要なことは,被験者の身体的,精神的状態に配慮しながら,そのペースに合わせて検索を行い,決して無理をしないということである.様々なテストを行う上においては,特にこのことが重要である. |
Keywords |
高齢者, 加齢, 脳萎縮, 神経心理学テスト, 痴呆 |
別刷請求先 |
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1 東京女子医科大学脳神経センター 岩田 誠 |
|