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論文名 相手の情動を読み取る─脳機能画像研究からの考察─
論文言語 J
著者名 中村 克樹
所属 国立精神・神経センター 神経研究所, 科学技術振興事業団, 京都大学 霊長類研究所
発行 神経心理学:19(3),162─171,2003
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要旨  社会生活を営むうえで,他者とコミュニケーションをとることが重要である.我々ヒトには,他の動物には見られない言語という非常に優れたコミュニケーションの手段がある.これまでの多くの神経心理学的研究から,言語は(右利きの正常人の)左半球でおもに制御されていることが示されてきた.また,ヒトには言語を直接介さないコミュニケーションの手段もある.身振り・表情などの動作や声の抑揚を用いて,感情・情動を他者に伝えることができる.このような機能は,言語とは異なり右半球が優位に制御していると考えられている.脳機能画像研究の結果から,これまでに動作の理解や表出に重要だと考えられていた,右下前頭葉皮質と右上側頭溝皮質が,非言語コミュニケーションに関与していることが示唆された.
Keywords コミュニケーション, 言語, 非言語, 下前頭葉, 上側頭溝
別刷請求先 〒187-8502 東京都小平市小川東町4-1-1 国立精神・神経センター 中村 克樹


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