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論文名 Dichotic Monitoring Testにおける注意と耳優位性の関係について
論文言語 J
著者名 田上 裕子, 大東 祥孝
所属 京都大学大学院人間環境学研究科
発行 神経心理学:16(1),32─38,2000
受付 1999年8月5日
受理 1999年10月20日
要旨 右手利きには右方向に注意のバイアスが存在するかどうかを,言語音と非言語音の二つのdichotic monitoring手法を用いて調べた。トライアル毎に先行音を置き,先行音が鳴った側に注意を向けるよう指示した。言語音刺激においても,非言語音刺激においても右耳の成績に注意の効果が見られなかったため,元々右に注意のバイアスがあるという仮説を一部支持するものとなったが,左耳の成績は言語音刺激の場合のみ著しく向上し,非言語音の場合には成績向上が見られなかったことから,意識的な注意であっても音種の影響を受け,何らかの処理機構の関与が考えられることが示唆された。また,通常の言語刺激における右耳優位が注意を傾けることによって左耳優位になった今回の結果から,少なくとも言語刺激においては注意を向けることによって同側,交叉性の経路がダイナミックに活性化され,変化しうる可能性があることが示唆された。
Keywords 右方向バイアス, 注意, 耳優位性, ダイコティックモニタリングテスト, 右手利き
別刷請求先 〒606-8501 京都府京都市左京区吉田本町 京都大学留学生センター内大東研究室 田上裕子


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