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論文名 物の向きに関する視知覚障害を呈した1症例─症状と認知リハビリテーションの検討─
論文言語 J
著者名 平林 一, 稲木 康一郎, 中村 淳**, 平林 順子**, 伊沢 真***
所属 リハビリテーションセンター鹿教湯病院臨床心理科
**リハビリテーションセンター鹿教湯病院言語療法科
***リハビリテーションセンター鹿教湯病院神経内科
発行 神経心理学:16(1),39─48,2000
受付 1999年10月14日
受理 1999年11月19日
要旨 物の向きに関する重篤な視知覚の障害を有し,日常生活上も,それに起因する様々な問題行動を呈した症例を報告した。実験的検討より,本症例では,物の形態知覚と認知は保たれているが,その向きの識別ができず,心的回転のような認知的変換にも障害が認められた。また,物の描画とその鏡像との識別や,物の描画の直立像と倒立像の識別にも困難を示した。本例の直立像,倒立像の識別の障害は,発症後2~3ヶ月には,物と文字の両方に認められたが,文字については,その後1ヶ月程度で回復した。本症例の呈した症状を,向きの視知覚に関わる物体中心座標系と観察者中心座標系の観点から考察し,認知リハビリテーションについても言及した。
Keywords 物の向き, 視知覚, 座標系, 認知リハビリテーション
別刷請求先 〒386-0322 長野県小県郡丸子町西内1308 リハビリテーションセンター鹿教湯病院 平林 一


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