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論文名 |
大きさに依存した視覚認知障害についてADの1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
松本 絵理子*/**, 大東 祥孝*, 埴原 秋児**, 藤森 美里**, 森 悦朗** |
所属 |
*京都大学大学院人間・環境学研究科
**兵庫県立高齢者脳機能研究センター臨床研究科 |
発行 |
神経心理学:16(1),56─65,2000 |
受付 |
1999年4月9日 |
受理 |
1999年12月14日 |
要旨 |
近年,アルツハイマー型痴呆(AD)を含む変性疾患において,言語や視覚認知のような認知機能の特定のコンポーネントが選択的に障害される例が注目されている。今回我々は中核症状である記憶障害やその他の認知障害の進行が比較的緩やかであるのに,視覚認知障害が初期より顕著であるアルツハイマー型痴呆(AD)例を経験した。本例は発症年齢が65歳未満の若年発症で,主訴は目のみえにくさであったが,これらは強い視覚認知障害を示した先行研究のAD例と共通していた。さらに,視覚認知障害の質的側面では,視覚対象のサイズが大きいほど障害が憎悪するという特徴がみられたため,今回は特に視覚性注意の有効範囲(“spotlight”)の調節過程に焦点をあてて検討した。その結果,特に短呈示下で,サイズの大きい視覚対象の認知障害が顕著であり,注意範囲の制限だけでなく調節過程での機能低下も認められた。 |
Keywords |
アルツハイマー型痴呆, 視覚認知障害, 視覚性注意 |
別刷請求先 |
〒606-8501 京都府京都市左京区吉田本町 京都大学大学院人間・環境学研究科 松本絵理子 |
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