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論文名 |
失語症のタイプ分類に意味はあるのか |
論文言語 |
J |
著者名 |
波多野 和夫 |
所属 |
国立精神神経センター精神保健研究所老人精神保健部 |
発行 |
神経心理学:16(2),85─90,2000 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
失語を臨床との関係の中で理解しようとする限り,失語のタイプ分類が無意味であるとは考えられない。その分類法の中で最も有力なものの一つは,Wernicke-Lichtheimの図式に由来するいわゆる「古典論」的な分類法であり,筆者らも多々使用している。ただしこの分類に限界があることも,古来指摘されてきた。本稿では,失語症状のいくつかと病変部位を数量化して,その間の相関を分析した。その結果,特に,聴覚的理解障害がBroca領野を中心とする前方言語領野の病変とも相関していること,非流暢性と聴覚的理解障害を統制して,その影響を排除した状態での復唱障害がWernicke領野を中心とする後方言語領野の病変と相関していることが明らかになった。この所見は,この「古典論」的分類の限界を物語ると考えた。 |
Keywords |
失語分類, Werncike-Lichtheimの図式, 「古典論」, 復唱障害 |
別刷請求先 |
〒272-0827 千葉県市川市国府台1-7-3 国立精神神経センター精神保健研究所 波多野和夫 |
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