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論文名 |
痴呆の臨床的分類はどのようにすべきか─前方型痴呆を中心に─ |
論文言語 |
J |
著者名 |
福井 俊哉 |
所属 |
昭和大学神経内科 |
発行 |
神経心理学:16(2),117─124,2000 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
前方型痴呆はPick complex(PiC)またはfrontotemporal lobar degeneration(FTLD)と総称され,臨床的にはfrontotemporal dementia(FTD),progressive aphasia(PA),semantic dementia(SD)などを呈し,その病理像として病理学的Pick病やfrontal lobe degeneration(FLD)などを特徴とする症候群である。前方型痴呆に関する(1)用語,(2)脳萎縮パターン,(3)痴呆内容,(4)診断時期などについて考察した。 (1)PiCとFTLDは臨床病理学的概念をすべて包括する用語であり,その下に位置する臨床・病理学的名称との混同に注意を要する。(2)前方型痴呆の脳萎縮は必ずしも前頭側頭葉に限局せず,頭頂葉・基底核も含む。(3)認知検査成績はADにて低く,Frontal Behavioral Inventoryの点数はFTDで有意に高かった。これらは両者の痴呆内容の違いを反映すると考えられた。(4)前方型痴呆は進行期にFTDと同等の症状を伴うため,診断は初期症状に基づくべきである。 |
Keywords |
ピックコンプレックス, 前頭側頭型葉性変性症, 前頭側頭葉型痴呆, 進行性失語症, 語義痴呆, アルツハイマー病, 局所性大脳萎縮 |
別刷請求先 |
〒 142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8 福井俊哉 |
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