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論文名 |
伝導失語の錯語減少への訓練について─表象安定を目指した方法─ |
論文言語 |
J |
著者名 |
吉村 貴子1), 齊藤 章江2), 板倉 徹3) |
所属 |
1)和歌山県立医科大学附属病院脳神経外科言語療法(現:大阪外国語大学大学院言語社会研究科)
2)京都大学大学院教育学研究科
3)和歌山県立医科大学脳神経外科 |
発行 |
神経心理学:16(2),135─144,2000 |
受付 |
1999年6月14日 |
受理 |
2000年1月14日 |
要旨 |
伝導失語の音韻性錯語は言語産出過程の音韻表象の保持及び再活性化の不安定さによるとの考えがある。これに基づき,産出過程に沿って外的に表象を操作する訓練を行った。結果,伝導失語症例ではこの訓練で音韻性錯語の有意な減少があった。しかし同様の訓練をウェルニッケ型失語例で実施すると,その効果は伝導失語と同等には認められなかった。
これより表象の外的操作にて伝導失語の表象保持・再活性化が安定し,音韻性錯語の減少への可能性が示された。しかしウェルニッケ型では表象以外の産出過程での障害が想定されるため,これのみを安定させても訓練効果は伝導失語よりは確実にはならない可能性が推察された。 |
Keywords |
伝導失語, 音韻性錯語, 言語産出過程, 音韻表象, 言語訓練 |
別刷請求先 |
〒 562-8558 箕面市粟生間谷東8-1-1 大阪外国語大学大学院言語社会研究科 吉村貴子 |
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