[第16巻第2号目次へ] Japanese/English

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論文名	日本語における逐字読みの発症メカニズムについて─純粋失読例における検討─
論文言語	J
著者名	小久保　香江1）, 鈴木　匡子1）, 山鳥　重1）, 今泉　茂樹2）, 小沼　武英2）
所属	1）東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻高次機能障害学 2）仙台市立病院脳神経外科
発行	神経心理学：16（2），145─153，2000
受付	1999年10月4日
受理	2000年3月21日
要旨	左側頭後頭葉切除後，定型的な逐字読みを示す純粋失読症患者を報告した。症例は24歳，左利き，女性。かな一文字の音読は可能だが，かな単語の音読は一文字づつ，抑揚のない読み方であった。一方，漢字単語の音読は音価選択の誤りが認められた。 本例は，単語・文字の形態認知が保存されていた。にもかかわらず，一単語内の文字列をまとめて音韻化できなかったことから，単語の読み過程には，単語形態を構成している文字列を個々の文字に分解し，音をあてがう段階があると考えられる。本例はこの段階に障害があり，そのため，個別文字の音読過程を用いて単語を処理するために逐字読みを示したと考えられた。
Keywords	純粋失読, 逐字読み, 文字処理, かな, 漢字
別刷請求先	〒 980-8575　仙台市青葉区星陵町2-1　東北大学医学部高次機能障害学　小久保香江