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論文名 神経心理学におけるcontroversies:半側空間無視
論文言語 J
著者名 武田 克彦
所属 日本赤十字社医療センター神経内科
発行 神経心理学:16(3),158─163,2000
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要旨 半側空間無視におけるcontroversiesとして以下の3つの点を論じた.1)半側空間無視における座標系の問題,半側空間無視とはいったいどのような座標系を想定し,その左側が無視されるのかということである.座標系としては網膜中心の座標系,身体中心の座標系,物体中心の座標系など考えられている.それぞれの座標系が重要という報告がある.まだこの問題は決着していないといえる.さて次の問題は2)半側空間無視においては運動の側面が障害されているのかということである.この症候を有する患者は,左側に向かう運動の開始が遅く,またその運動のスピードも遅いという研究がある.この側面は半側空間無視において無視できないと考えられる.さらに3)半側空間無視における意識下の処理について報告した.左視野に提示された刺激は,少なくともカテゴリーの判断ぐらいまでは処理されているとする研究がある.
Keywords 半側空間無視, 座標系, 運動の側面, 意識下の処理
別刷請求先 〒150-8935 渋谷区広尾4-1-22 日本赤十字医療センター神経内科 武田克彦


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