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論文名	コルサコフ症候群における展望的記憶
論文言語	J
著者名	梅田　聡1）, 加藤　元一郎2）, 三村　將3）, 鹿島　晴雄4）, 小谷津　孝明5）
所属	1）慶應義塾大学文学部心理学研究室 2）東京歯科大学市川総合病院 3）昭和大学医学部精神神経科 4）慶應義塾大学医学部精神神経科 5）日本橋学館大学
発行	神経心理学：16（3），193─199，2000
受付	2000年2月8日
受理	2000年3月31日
要旨	慢性期のコルサコフ症候群複数例および健常者を対象として，意図した行為の記憶である展望的記憶の遂行について2つの課題を用いて検討した．意図した行為を適切に遂行するためには，存在想起と内容想起が必要とされる．本研究の結果，コルサコフ症候群では，1）明白な手がかりと結びついた意図の想起に関しては，存在想起はそれほど低下しないにもかかわらず，内容錯誤が多く見られること，2）あまり目立たない状況的手がかりと結びついた意図の想起に関しては，存在想起に低下が示され，内容錯誤は見られないこと，などが明らかになった．これらの結果は，展望的記憶における存在想起と内容想起の機能的独立性を支持するものと考えられる．
Keywords	コルサコフ症候群, 展望的記憶, 存在想起, 内容想起
別刷請求先	〒108-8345　東京都港区三田2-15-45　慶應義塾大学心理学研究室　梅田　聡