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論文名 片側中枢性聴覚障害例における両耳分離聴検査─競合ノイズによる検討─
論文言語 J
著者名 原島 恒夫1), 吉野 公喜1), 堅田 明義2), 市川 忠3)
所属 1)筑波大学心身障害学系
2)金城大学
3)埼玉県総合リハビリテーションセンター神経内科
発行 神経心理学:16(3),208─218,2000
受付 1998年5月6日
受理 2000年4月17日
要旨 脳卒中による片側脳損傷後,非脳損傷側耳の聴き取りにくさを訴える3例および言語音の聴き取りにくさを訴えるウェルニッケ失語症1例に対し,両耳分離聴検査を施行した.本研究において使用した両耳分離聴検査の検査音は単語とノイズ(ホワイトノイズ,マルチトーカノイズ)を組み合わせたものからなる.その呈示条件は,1)単耳単語条件,2)単語+ホワイトノイズ条件,3)単語+マルチトーカノイズ条件,4)両耳交互単語条件,5)両耳同時単語条件の5条件であった.検査結果から,片側脳損傷後に非脳損傷側耳の聴き取りにくさを訴える3症例においては,脳損傷側耳にマルチトーカノイズを負荷した場合,非脳損傷側耳の受聴に対し特異的な抑制効果を示すことが明らかとなった.
Keywords 両耳分離聴, 競合ノイズ, 耳消去, 中枢性聴覚障害
別刷請求先 〒305-8572 茨城県つくば市天王台1-1-1 筑波大学心身障害学系 原島恒夫


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