[第16巻第4号目次へ] Japanese/English

Full Text of this Article in Japanese PDF (64K)

論文名	頭頂葉性純粋失書の1例における仮名の音韻性錯書とその反復
論文言語	J
著者名	柏木　あさ子1）, 井堀　奈美1）2）, 柏木　敏宏3）, 中川　賀嗣4）, 田邊　敬貴5）
所属	1）協立温泉病院言語室 2）現　川崎協同病院言語室 3）協和会病院言語室 4）大阪大学大学院医学系研究科神経機能医学 5）愛媛大学神経精神医学教室
発行	神経心理学：16（4），239─247，2000
受付	2000年3月10日
受理	2000年6月9日
要旨	右利き，左頭頂葉皮質下出血術後の症例TOの呈した純粋失書を検討した．写字は良好で，運筆や文字の形態に異常はなかったが，仮名の自発書字や書取において音韻性錯書が見られ，さらにそれを修正しようとして錯書を反復する現象が見られた．錯書は，異種感覚様式間連合の離断性の障害による文字選択の誤りで，聴覚心像についての情報が文字運動覚心像に十分に伝達されないために生じたと考えられた．左頭頂葉における半球内離断現象と解された．錯書の反復は書字における接近行動（conduite d'approche）と解された．
Keywords	純粋失書, 錯書, 左頭頂葉, 異種感覚様式間連合, 半球内離断
別刷請求先	〒666-0121　兵庫県川西市平野1-39-1　協立温泉病院　言語室　柏木あさ子