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論文名 Williams症候群の視覚認知障害─なぜトレースできて模写できないのか─
論文言語 J
著者名 永井 知代子1), 岩田 誠1), 松岡 瑠美子2), 加藤 元一郎3)
所属 1)東京女子医科大学脳神経センター神経内科
2)同 循環器小児科
3)東京歯科大学市川総合病院精神神経科
発行 神経心理学:17(1),36─44,2001
受付 2000年6月12日
受理 2000年7月17日
要旨 Williams症候群(以下WS)の視覚認知障害について検討した.対象は8~28歳の患者4人で,視知覚課題として視知覚の基本機能,形の恒常性理解などを,視覚運動課題としてトレース,模写,イメージからの描画などを調べた.その結果視知覚の基本機能は良好だが傾きの弁別・形の恒常性理解に障害があり,トレースは良好だが模写の障害は著明で,角の誤形成が特徴的であった.イメージからの描画は模写より良好であった.WSでは視知覚レベルで傾きの認知・形の恒常性理解に障害があり,誤反応分析からこれらが描画に影響していると考えられた.模写で必要だがトレースで必要ない過程は複数あり,WSではこれらの障害が示唆される.
Keywords Williams症候群, 視覚認知障害, トレース, 模写
別刷請求先 〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1 東京女子医科大学脳神経センター神経内科 永井知代子


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