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論文名 視覚情報が触覚情報に干渉を与えた視覚失認の1例
論文言語 J
著者名 高岩 亜輝子1), 恒藤 澄子1), 安部 博史3), 寺井 敏2), 田川 皓一4)
所属 1)白十字病院リハビリテーション科
2)白十字病院神経内科
3)福岡徳洲会病院リハビリテーション科
4)長尾病院(附)福岡高次脳機能センター
発行 神経心理学:17(1),45─53,2001
受付 2000年5月11日
受理 2000年8月25日
要旨 左後大脳動脈領域の梗塞により,視覚失認を呈した79歳女性の1例を報告した.本症例の視覚失認の特徴は,遮眼し触覚刺激のみでの触覚認知は可能であるが,開眼した状態で触る視覚および触覚の同時刺激では,視覚刺激のみと同様に認知することができなかったことである.さらに,物品の使用にも影響を及ぼし,開眼した状態では物品を使うことができなかった.しかし,視覚を遮断することで使用することは可能となった.触覚情報のみでは良好であるが,触覚情報に視覚情報が加わることで認知が困難となることから,複数の刺激による認知には,情報の優位性が存在する場合があるものと考えられた.本症例の場合は視覚情報が触覚情報に比して優位であった.
Keywords 視覚失認, 触覚認知, 左後大脳動脈閉塞症
別刷請求先 〒819-8511 福岡市西区石丸3-2-1 白十字病院 高岩亜輝子


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