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論文名 緩徐進行性の大脳性難聴と語間代を呈した神経変性症の1例
論文言語 J
著者名 李 英愛1), 石合 純夫2), 綿引 定清3), 高橋 真冬3)
所属 1)武蔵野赤十字病院言語室
2)東京都神経科学総合研究所リハビリテーション研究部門
3)武蔵野赤十字病院神経内科
発行 神経心理学:17(1),54─61,2001
受付 2000年8月28日
受理 2000年9月19日
要旨 緩徐進行性の難聴と語間代で発症した神経変性症の1例を報告した.症例は69歳,女性,右利き.まず難聴が進行し,その後,発話障害が加わった.仮名書字の軽度な障害以外,失語症状は認めなかった.MRI,SPECTでは特に異常所見はなかった.難聴は聾となったが,ABRは正常で,大脳性と考えられた.発話障害は,音節の急速な繰り返しが単語のあらゆる位置で頻出するのが中核的症状で,病識を欠くことから,語間代の範疇と考えられた.本例の語間代は,音変化,不明瞭な音・音節,聞き取れない部分もあることから,発話の運動的出力の調節レベルでの障害が示唆された.難聴による二次障害である可能性については否定的であった.
Keywords 大脳性難聴, 発話障害, 語間代, 反復性発話, 神経変性疾患
別刷請求先 〒180-8610 東京都武蔵野市境南町1-26-1 武蔵野赤十字病院 言語室 李 英愛


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