[第17巻第1号目次へ] Japanese/English

Full Text of this Article in Japanese PDF (44K)

論文名	Benton視覚弁別検査による正常高齢者と初期Alzheimer病の鑑別
論文言語	J
著者名	佐藤　真理, 目黒　謙一, 石崎　淳一, 石井　洋, 山鳥　重
所属	東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻内部・高次機能障害学講座高次機能障害学分野
発行	神経心理学：17（1），62─68，2001
受付	2000年5月1日
受理	2000年9月28日
要旨	複雑な図形の識別能力を評価するBenton視覚弁別検査（Visual Form Discrimination；VFD）を用い，正常高齢者群と初期Alzheimer病（AD）群の成績の差を，他の神経心理検査とあわせて検討した．重症度はCDR（Clinical Dementia Rating）0（正常）群18例，CDR 0.5（痴呆疑い）群14例，CDR 1＆2（軽度・中等度痴呆）群21例を対象とした．CDR各群におけるVFDの成績を検討後，CDR 0群とCDR 0.5群に対しては他の神経心理検査も施行した．結果は，他の神経心理検査では有意差は認められなかったものの，VFDでは有意にCDR 0群に比べCDR 0.5群で成績が低下していた．CDR 0群でRey複雑図形模写との間に有意な正の相関がみられたが，CDR 0.5群ではみられなかった．以上からADの初期鑑別検査としてVFDは感度が高く，有効である可能性が示唆された．
Keywords	べントン視覚弁別検査, アルツハイマー病, CDR
別刷請求先	〒980-8575　仙台市青葉区星陵町2-1　東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学分野　目黒謙一