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論文名 失象微型失読失書の一例
論文言語 J
著者名 水田 秀子1), 松田 実2), 藤本 康裕3)
所属 1)市立伊丹病院リハビリテーション室,
2)滋賀県立成人病センター神経内科
3)市立伊丹病院脳神経外科
発行 神経心理学:17(3),185─191,2001
受付 2000年9月28日
受理 2000年12月28日
要旨 左側頭葉出血後に,漢字・仮名ともに失読失書を呈した症例を報告した.漢字・仮名の失読失書はきわめて高度であったが,数字の読み書きには障害がなかった.また漢字・仮名の写字にも障害がみられた.漢字では,読めない漢字の漠然とした意味理解も障害された.仮名ではなぞり読みは効かず,手掌への文字を読むこともできなかった.さらに文字の向きを正せず,部首を構成して漢字を作ることも不可能であり,実在字の判断も不良であることが特徴的であった.本例では,文字記憶心像そのものの崩壊が示唆され,失象徴(意味記憶障害)型(山鳥1992)の失読失書と考えられた.
Keywords 失象徴, 失読失書, 漢字仮名, 意味記憶
別刷請求先 〒664-8540 兵庫県伊丹市昆陽池1-100 私立伊丹病院 リハビリテーション室


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