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論文名 意味プライミング効果の半球優位性
論文言語 J
著者名 仁木 千晴, 大東 祥孝
所属 京都大学大学院人間・環境学研究科
発行 神経心理学:17(4),259─269,2001
受付 2001年5月3日
受理 2001年10月17日
要旨 線画を呈示刺激に用いた意味プライミング効果の半球優位性を調べるため,以下の3つの分割視野実験を行った.実験1では,プライムとターゲットともに線画を呈示刺激とし,ターゲットがobjectかnon-objectかを判断するObject Decision課題を行った.実験2ではプライムを単語としたObject Decision課題を行い,実験3ではプライムを線画としたLexical Decision課題を行った.その結果,全ての実験においてプライムとターゲットが左視野に呈示されたときのみ意味プライミング効果がみられ,左視野優位で意味プライミング効果が生じている可能性が示唆された.単語刺激のみを呈示した先行研究では意味プライミング効果の右視野優位性が報告されているが,線画刺激を用いた本実験結果は,視覚を通して学習され,視知覚段階において物体の形態を個別に貯蔵していると考えられる視知覚的な意味記憶が,右半球に存在している可能性を示唆するものである.
Keywords 意味プライミング効果, 半球優位性, Object Decision課題, Lexical Decision課題, 意味記憶
別刷請求先 〒606-8501 京都府京都市左京区吉田本町 京都大学留学生センター内大東研究室 仁木千晴


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