[第17巻第2号目次へ] Japanese/English

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論文名	post stroke depression
論文言語	J
著者名	玉井　顯, 小野　寿之
所属	医療法人　敦賀温泉病院
発行	神経心理学：17（2），88─92，2001
受付
受理
要旨	Zungの自己評価抑うつ尺度（SDS）と感情プロフィール検査（POMS）の実施が可能であり，抗うつ剤未使用例の脳血管障害患者（以下CVD）77例を対象として，CVDにおける抑うつ状態について検討した．抑うつ状態はSDSで49.3％，POMS（抑うつ尺度）では27.3％に出現したが，内因性うつ病と比べると抑うつの程度は軽度であった．SDS，POMS下位項目と年齢，罹病期間，同居者数の関係では，若年者ほど不安・抑うつが強く，罹病期間が短いほど混乱し，同居者数が多いほど不安・抑うつが強いという傾向がみられた．抑うつと損傷部位との関連では優位な相関はみられなかった． CVDにより生ずる抑うつ状態は内因性うつ病に代表される大うつ病とは異なり，抑うつ周辺症状が混在した非定型的な病像であると考えられた．また，CVDによる抑うつ状態は脳局在要因ばかりでなく身体的因子，社会心理学的因子，病前性格など多因子からなる抑うつ状態であり，容易に局在を確定するのは困難であると思われた．
Keywords	脳血管障害, うつ状態, うつ病自己評価尺度
別刷請求先	〒914-0024　福井県敦賀市吉河41-1-5　敦賀温泉病院　玉井　顯