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論文名 脳梗塞により着衣失行を呈した左手利きの1例─着衣の誤反応分析と機序の考察
論文言語 J
著者名 井上 里美1)*, 関 麻理子1), 新藤 直子1), 栗崎 博司2), 板東 充秋3)
所属 1) 国療東京病院リハビリテーション科
2) 国療東京病院神経内科
3) 東京都立神経病院神経内科
現 国立療養所多磨全生園リハビリテーション科
発行 神経心理学:17(2),156─163,2001
受付 2000年4月1日
受理 2000年11月24日
要旨 脳梗塞による左手利き男性の着衣失行の1例を報告した.軽度左片麻痺,右半側無視,構成障害,書字障害の目立つ失語症が見られたが,着衣障害はそのいずれでも説明できなかった.前開きの服と袋状の服に分け着衣失行の分析を行った.結果,身体と衣服の各部位の認知は出来たが,丸めた状態から衣服を展開すること,対面した衣服の左右認知,立体的にした衣服を用いての着衣手順の説明ができなかった.以上より,着衣失行では衣服の構造の認知,衣服と身体の位置関係の認知,着衣動作の運動イメージの構築と動作遂行の過程それぞれに障害がある可能性が示唆された.また,着衣関連機能の局在に関して,本例の病巣との関連,側性化との関連を考察した.
Keywords 着衣失行, 左手利き, 運動イメージ
別刷請求先 〒189-8550 東京都東村山市青葉町4-1-1 国立療養所多磨全生園リハビリテーション科 井上里美


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