[第19巻第4号目次へ] Japanese/English

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論文名	急速進行性失語で発症した痴呆の1例―急速進行性失語の病像と病因の検討―
論文言語	J
著者名	蕨　陽子1）, 石川　万季2）, 磯崎　英治1）, 板東　充秋1）, 林　秀明1）
所属	1）東京都立神経病院神経内科 2）同　リハビリ科
発行	神経心理学：19（4），200─207，2003
受付	2002年12月5日
受理	2003年9月19日
要旨	急速進行性失語（RPA）で発症した痴呆の50歳右利き男性例を報告した．7カ月間で急速にWernicke失語が完成し，WAIS-RのVIQ 52，PIQ 91，RCPM 33/36と痴呆なき失語を3カ月間呈し，全経過2年2カ月で死亡した．痴呆なき失語の時点のMRIで左側頭葉優位の脳萎縮と皮質のFLAIR，拡散強調像高信号域を，SPECTで左側頭頭頂葉の集積低下を認め，病理所見は未確定だがCJDを最も疑った．本例は失語，一般知能の標準的検査で確認され，頭部MRIとSPECTの経過を示したRPAの最初の報告例である．剖検報告5例を検討し，RPAと言える病像を定義し，SPAと比較した．CJDを含む急速進行性の神経疾患が，言語関連領野に比較的限局した発症様式をとる場合，RPAのような特異な経過になると考えた．
Keywords	急速進行性失語, 緩徐進行性失語, クロイツフェルト・ヤコブ病, MRI, SPECT
別刷請求先	〒183-0042　東京都府中市武蔵台2-6-1　東京都立神経病院神経内科　蕨　陽子