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論文名	両耳分離聴下で聴覚的消去を示す脳損傷者の聴覚認知について
論文言語	J
著者名	吉川　千絵1）, 原島　恒夫2）, 堅田　明義3）
所属	1）国際医療福祉大学言語聴覚学科 2）筑波大学心身障害学系 3）金城大学社会福祉学部
発行	神経心理学：20（1），63─69，2004
受付	2003年9月16日
受理	2003年11月26日
要旨	両耳分離聴下で聴覚的消去を示した脳損傷者11名に，両耳分離聴下のきこえに関する内省を聴取し，注意条件（divided条件，focused条件）により分類した．この結果，同程度の検査成績を示すにもかかわらず，聴覚認知は，4つのタイプ（1：注意条件にかかわらず損傷対側耳の刺激を聴取できない例，2：損傷対側耳の刺激が著しく小さくきこえる例，3：損傷対側耳に注意を向ければ聴取できる例，4：損傷対側耳に注意を向けると損傷同側耳からの刺激を報告する例）が存在した．タイプ1～3は中枢聴覚経路の損傷による回復過程での経時的変化と考えられ，タイプ4は，他の認知障害の関与が推測された．聴覚的消去の機序の解明には，聴覚認知の内省を含めて検討する必要があると考えられた．
Keywords	聴覚的消去, 聴覚認知, 両耳分離聴
別刷請求先	〒324-8501　栃木県大田原市北金丸2600-1　国際医療福祉大学保健学部言語聴覚学科　吉川千絵