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論文名 |
語意学習のメカニズム |
論文言語 |
J |
著者名 |
今井 むつみ |
所属 |
慶應義塾大学環境情報学部 |
発行 |
神経心理学:20(2),125─135,2004 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
私たち大人は膨大な語彙を持ち,一つ一つの語についてその意味を知っているが,それ以上に語の運用規則や般用の規則,語と語の関係など,意識的に言語化することができない豊かな暗黙の知識を持っている.それらの知識を包含する心の辞書は心理学,言語学ではメンタルレキシコンと呼ばれている.子どもは短い時間で非常に速い速度でことばを覚え,メンタルレキシコンを構築していく.ことばを話し始める2歳前後から6歳の間に,平均して一日6語,多い時期には10語も新しいことばを覚えることがある.そして,おとなが外国語を学ぶ場合と異なり,子どもは大人が特に一つ一つの単語の意味(定義)を教えなくても,日常生活の中で自然にことばを覚えてしまう.子どもはどうしてこのように効率よくことばの学習ができるのだろうか?本稿では乳幼児がメンタルレキシコンを構築していくメカニズムを論じ,さらにその知見から,メンタルレキシコンの中にはどのような情報が含まれているのか,メンタルレキシコンを運用し,生成的な言語理解と言語産出をするためには何が必要なのかという問題を考えていく. |
Keywords |
言語獲得, 語意学習, メンタルレキシコン, 外国語学習 |
別刷請求先 |
〒252-8520 神奈川県藤沢市遠藤5322 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス 今井むつみ |
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