[第20巻第4号目次へ] Japanese/English

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論文名	使用失行の発現機序について
論文言語	J
著者名	中川　賀嗣1）, 大槻　美佳2）, 井之川　真紀3）4）
所属	1）北海道医療大学看護福祉学部 2）同　心理科学部 3）協立温泉病院 4）現，第2協和会病院言語療法科
発行	神経心理学：20（4），241─253，2004
受付	2003年10月24日
受理	2004年6月22日
要旨	使用失行の障害機序を明らかにするため，まず従来の知見から暫定的に道具を「慣用的道具」か「非慣用的道具」かに区分し，また使用遂行段階によって「使用法の喚起・発見に要する能力」と「それに引き続いて行う操作能力」とに区分し，この区分（2×2）に基づいて使用失行についての従来の代表的な3つの機序説明・表現の差異を明らかにした．さらに左半球に広汎な病巣を有する2例の動作能力を評価し，その結果先の暫定的な道具の区分に代えて，「反復的・象徴的な動作を要する道具の単一での使用課題（体性感覚情報を利用する道具使用課題）」と「左記の動作を要さない物品操作」と区別する方が適切であると考えた．使用失行は，前者における「使用技能の喚起（駆動）」の障害によると考えた．
Keywords	概念失行, 使用法の健忘, 観念失行, 使用失行, 体性感覚
別刷請求先	〒061-0293　北海道石狩郡当別町金沢1757　北海道医療大学看護福祉学部　中川賀嗣