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論文名 乳幼児と外国語学習者の音声知覚の獲得
論文言語 J
著者名 森 浩一, 古屋 泉1), 佐藤 裕, 皆川 泰代2), 林 良子3)
所属 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所感覚機能系障害研究部
1)現 広島県立保健福祉大学コミュニケーション障害学科
2)現 慶應義塾大学文学部心理学研究教室, 科学技術振興機構
3)現 神戸大学国際文化学部
発行 神経心理学:21(1),26─34,2005
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要旨 多チャネル近赤外分光法脳機能計測により,言語的対比をつけた単語刺激に対する左右側頭部の反応を調べた.右利き正常成人では85%の被験者で音韻対比の反応が抑揚対比より左に寄っていた.吃音群では刺激間に側性化の有意差を認めず,音韻反応の側性化は重症度と逆相関していた.乳幼児では音韻・抑揚反応間に側性化の違いが認められるのは11~12ヵ月齢群以降であった.ダウン症例ではこれが数ヵ月遅れていた.成人後に日本語を習得した韓国人は,日本人と同等の長短母韻の範疇的同定を認めたが,音韻境界をまたいだ長短対比に対する脳反応は左側性化が見られず,外国語の範疇的知覚が必ずしも言語的には行われていない可能性を示唆した.
Keywords 乳幼児, 外国語学習, 言語発達, 機能的近赤外分光法, 脳機能側性化
別刷請求先 〒359-8555 埼玉県所沢市並木4-1 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 森 浩一


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