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論文名 左側頭頭頂葉梗塞により数処理に強い障害を呈した非右利きの1例
論文言語 J
著者名 鈴木 則夫1), 松田 実2), 長濱 康弘2), 翁 朋子3)
所属 1)滋賀県立成人病センター・言語室
2)同 第3内科
3)同 心理室
発行 神経心理学:21(1),49─57,2005
受付 2004年2月10日
受理 2004年9月21日
要旨 左頭頂側頭葉梗塞により数詞,数字の理解,表出と数処理に強い障害を呈した症例を報告した.症例は68歳の非右利き女性.本例は失語症を合併したが,数以外の語彙の聴理解,視覚理解が実用水準まで回復した後も数詞の理解障害,数字の読み書き障害が強く残存した.本例は1桁の数においても数字の音読,視覚理解,書字,数詞の聴理解,表出に障害がみられ,きわめて小さい数を除いては数そのものの把握も困難であり,数概念の変容,狭小化が示唆された.本例の数概念の障害は数詞,数字という数の記号の双方を障害されたことに起因すると考えた.本例の数詞,数字の重篤な障害には側性化の異常が関与している可能性があると考えられた.
Keywords 失算, 数処理, 数字, 数概念, 非右利き
別刷請求先 〒524-8524 滋賀県守山市守山五丁目4番30号 滋賀県立成人病センター第3内科言語室 鈴木則夫


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