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論文名 失語症患者の聴覚的理解とワーキングメモリ─リスニングスパンテストでの検討─
論文言語 J
著者名 吉村 貴子1), 苧阪 満里子2), 前島 伸一郎3)
所属 1)大阪医療福祉専門学校言語聴覚士学科
2)大阪外国語大学
3)川崎医療福祉大学
発行 神経心理学:21(1),58─65,2005
受付 2004年4月13日
受理 2004年9月21日
要旨 ワーキングメモリ(WM)容量を測定するとされるリスニングスパンテスト(LST)を失語症例19名に実施し,聴覚的文理解とWM容量の関係を検討するとともに,失語症例への実施時の留意点を考察した.結果,理解良好群と不良群とでは,LSTと聴覚的文理解の成績に見られる相関関係が異なった.これより,LSTを実施する際には「処理と保持」の並列的遂行を文の正誤判断課題などで確認しないと,WM容量を測定し難いことが推察され,すべての失語症患者がLSTなどの実施対象になり難いことが示唆された.しかしWM容量と文理解に相関がある場合は,訓練への応用も期待でき,その測定方法に留意すれば,LSTは失語症の臨床においても有用であると考えられた.
Keywords ワーキングメモリ容量, リスニングスパンテスト, 聴覚的理解, 失語症
別刷請求先 〒532-0003 大阪市淀川区宮原1-2-14 言語聴覚士学科 吉村貴子


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