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論文名 右被殻出血後に視覚性反響書字を呈した交叉性Broca失語の1例
論文言語 J
著者名 黒崎 芳子1), 辰巳 寛2), 波多野 和夫3), 高岡 徹4)
所属 1)岡崎市民病院リハビリテーション科(現 大田原赤十字病院言語聴覚室)
2)名古屋第二赤十字病院リハビリテーション科
3)滋賀県立精神保健総合センター
4)岡崎市民病院脳神経外科
発行 神経心理学:21(2),123─131,2005
受付 2004年3月17日
受理 2004年9月28日
要旨 右被殻出血後に視覚性反響書字を呈した交叉性Broca失語の1例を報告した.本例の反響書字は他の反響症状を伴わず,視覚性反響書字のみが観察された点で特異的であった.本例の反響書字は,完全型と減弱型の反響書字が混在して出現し(第一期),経過において減弱型反響書字のみが観察され(第二期),徐々に出現頻度が減少し,発症約6カ月後(第180病日)にはほぼ消失した.本例の反響書字の出現には,少なくとも,通過症候群(Wieck,1967)と考えられる精神症状,前頭葉損傷由来と考えられる「ふざけ症」,被影響性の亢進などの脱抑制症状,病識障害,右半球損傷による書字行為の脱抑制などが関与した可能性が推察された.
Keywords 右被殻出血, 交叉性失語, 視覚性反響書字, 完全型反響書字, 減弱型反響書字
別刷請求先 〒324-8686 栃木県大田原市住吉町二丁目7番3号 大田原赤十字病院言語聴覚室 黒崎芳子


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