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論文名 |
「アナルトリーの責任病巣」再考 |
論文言語 |
J |
著者名 |
大東 祥孝 |
所属 |
京都大学国際交流センター/人間環境学研究科 |
発行 |
神経心理学:21(3),146─156,2005 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
最近,apraxia of speech(AOS)の責任病巣が話題になっており,Dronkers(1996)らの「島前部」説,それを否定するHillis et al(2004)の「ブローカ領域」説,などが,あたかも「新しい問題」であるかのごとくに論じられている.しかし,AOSは基本的にアナルトリーと同じ症状をさしているのであるから,その責任病巣についての研究史はすでに長い.Lecours&Lermitte(1976)の確実度の高い剖検例からも,その他の臨床所見からも,アナルトリーの責任病巣は,左中心前回であると考えられる.Dronkers や Hillis et al の方法は,AOSの純粋例に基づくものではなく,AOSを示すか示さないかのみの基準で多数の症例の病巣を重ね合わせることによって得られたもので,手法上の問題や,他の失語症状との相互作用などの要因が,結果に影響を与えていた可能性を否定できないと思われる. |
Keywords |
アナルトリー, 発語失行, 責任病巣, 中心前回, 島前部, ブローカ領域 |
別刷請求先 |
〒606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学国際交流センター 大東祥孝 |
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