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論文名 “発語失行”はなぜわかりにくい─障害の多様性,症状の変型と変容の視点から─
論文言語 J
著者名 吉野 眞理子
所属 筑波大学大学院人間総合科学研究科
発行 神経心理学:21(3),191─199,2005
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要旨 発語失行はしばしば「わかりにくい」といわれるがなぜであろうか.それは用語,定義,症候学がさまざまで見解の相違があることに加えて,その本態が単一の障害ではない可能性があり,症状の変型や変容について十分認識されていないためと思われる.発語失行にはプロソディーの保たれた変型が存在する可能性があり,“未分化ジャーゴン”様発話や再帰性発話様発話を典型的発語失行的断綴性発話とともに示した自験症例を提示した.プロソディー障害は,さまざまな心理社会的要因も関与して構音の障害の代償として現れ,経過に従って変化する可能性がある.プロソディー障害を発語失行の診断基準に用いることには慎重になる必要がある.
Keywords 発語失行, アナルトリー, 再帰性発話, 未分化ジャーゴン, プロソディー障害
別刷請求先 〒112-0012 東京都文京区大塚3-29-1 筑波大学大学院人間総合科学研究科 吉野眞理子


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