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論文名 |
音韻性失名詞の4例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
水田 秀子1), 藤本 康裕2), 松田 実3) |
所属 |
1)市立伊丹病院リハビリテーション室
2)守口敬任会病院
3)滋賀県立成人病センター |
発行 |
神経心理学:21(3),207─214,2005 |
受付 |
2004年5月21日 |
受理 |
2004年11月15日 |
要旨 |
発話は流暢だが喚語や呼称に著明な障害があり,理解は保たれ,復唱も良好な失語4例を報告した.呼称では意味性錯語や迂言はほとんど認められず,音韻性錯語が主体であった.また,音韻性錯語と共にしばしば接近行為様の発話も認めたが,復唱にはみられなかった.本4例では,通常の失名詞失語や伝導失語における錯語とは異なり,語は正しく選択されたが,その音韻的表象の活性が障害されていると考えた.Ellisが提唱した音韻性失名詞(Kay & Ellis 1987,Ellis 1992,1994)との比較検討を通して,喚語において,語のアクセスと,その音韻的表象とを分離することの重要性を指摘した.本4例は,語の音韻的側面の選択的障害例として音韻性失名詞という症候概念を確立する症例と考えられた. |
Keywords |
失名詞, 音韻性錯語, 意味性錯語, 伝導失語, レンマ |
別刷請求先 |
〒664-8540 兵庫県伊丹市昆陽池1-100 市立伊丹病院リハ室 水田秀子 |
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