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論文名 失語症における構文理解障害のパターン─左前頭葉病変例と左側頭葉病変例の比較─
論文言語 J
著者名 菅野 倫子1), 藤田 郁代2), 橋本 律夫3), 伊藤 智彰2)
所属 1)国際医療福祉大学クリニック
2)国際医療福祉大学保健学部
3)国際医療福祉病院神経内科
発行 神経心理学:21(4),243─251,2005
受付 2005年1月18日
受理 2005年5月23日
要旨 構文理解には少なくとも統語解析と意味解読が必要といわれるが(Saffran,2001),その脳機構は明らかではない.我々は構文理解障害を呈した左前頭葉病変例及び左側頭葉病変例に文容認性判断検査を実施し,助詞逸脱文と語彙逸脱文,及び単文と複文の違いが容認性判断に及ぼす影響を検討した.その結果,左前頭葉病変例は助詞逸脱文の判断が困難であったが,語彙逸脱文の判断は良好であった.左側頭葉病変例は助詞逸脱文と語彙逸脱文の判断が共に困難であった.全症例で単文と複文の違いは判断成績に影響しなかった.結果より,左前頭葉が助詞の処理,左側頭葉が文中における語の意味処理に関わることが示唆された.
Keywords 失語症, 構文処理, 文容認性判断, 統語解析, 意味解読
別刷請求先 〒324-8501 栃木県大田原市北金丸2600-6 国際医療福祉大学クリニック言語聴覚センター 菅野倫子


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