[第22巻第1号目次へ] Japanese/English

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論文名	他者知覚プロセスの脳基盤─特に視線と右上側頭溝領域の役割について
論文言語	J
著者名	加藤　元一郎1）, 秋山　知子2）
所属	1）慶應義塾大学医学部精神神経科 2）駒木野病院
発行	神経心理学：22（1），53─61，2006
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要旨	他者知覚は，社会的信号の認知の最も重要な領域である．上側頭溝領域は，視線の向きや動き，言語的・非言語的な口の動き，手の動き，手話やジェスチャー，個体の体の動きなどに呼応して活動し，いわゆる生物学的な動きの認知に関与している．本報告では，右上側頭回の限局損傷例の視線認知の障害を報告した．このケースの臨床的特徴は，「視線が合わない」ことであり，実際の眼の写真や眼のシェーマを用いた視線方向判断課題で障害を認めた．なお，この障害は，半盲や半側空間無視の影響ではないと考えられた．最後に，上側頭溝領域の活動と視線認知との関連について述べ，その機能が社会的認知において果たす役割について解説した．
Keywords	他者知覚, 上側頭溝領域, 右上側頭回, 視線, 生物学的動き
別刷請求先	〒160-8582　東京都新宿区信濃町35　慶應義塾大学医学部精神神経科