学会誌

書誌情報

Full Text of this Article
in Japanese PDF (107K)
論文名 レビー小体病の臨床像と病理的背景─パーキンソン病,パーキンソン病随伴認知症,レビー小体型認知症について─
論文言語 J
著者名 葛原 茂樹
所属 三重大学神経内科
発行 神経心理学:22(3),200─211,2006
受付
受理
要旨 レビー小体病とは,中枢神経系にレビー小体(LB)が出現する疾患の総称で,その分布と臨床病型の間には,脳幹型はパーキンソン病(PD),辺縁脳型はパーキンソン病に随伴する認知症(PDD),大脳皮質まで及んだものはレビー小体型認知症(DLB)という対応関係がある.パーキンソン病症状完成後に認知症が出るPDDと認知症が先行するDLBは,完成時の臨床像と病理所見はほぼ同じであるが,パーキンソン症状と認知症の出現順序は逆である.LBとLewy neuriteはα-シヌクレイン免疫組織化学染色で最も鋭敏に検出される.α-シヌクレインの遺伝子変異や遺伝子量増加はレビー小体病を起こし,遺伝子量と病型の間には関連がある.PDDとDLBが同じ疾患の異なる臨床表現型か,終末像は酷似していても異なる疾患であるかは今後の検討課題である.
Keywords レビー小体病, 認知症, パーキンソン病, レビー小体型認知症, α-シヌクレイン
別刷請求先 〒514-8507 三重県津市江戸橋2-174 三重大学神経内科 葛原茂樹 kuzuhara@clin.medic.mie-u.ac.jp


Copyright © 2002 日本神経心理学会 All rights reserved
http://www.neuropsychology.gr.jp/