[第22巻第3号目次へ] Japanese/English

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論文名	右前頭側頭葉梗塞後にpalilaliaと前頭葉症状群を呈した1例
論文言語	J
著者名	舘川　歩美1）, 今村　徹1）2）, 佐藤　厚3）, 朱　敏秀4）
所属	1）新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科 2）新潟リハビリテーション病院神経内科 3）同　リハビリテーション部言語聴覚科 4）同　内科
発行	神経心理学：22（3），212─218，2006
受付	2005年6月17日
受理	2006年1月23日
要旨	症例は80歳右利き女性．左片麻痺で発症し，発症3カ月の当院入院時には頭部MRIで右前頭側頭葉の中大脳動脈領域に陳旧性梗塞を認めた．入院時より右半球症状群とpalilaliaを伴っていた．発症22カ月の神経心理学的検査では右半球症状とともに顕著な前頭葉症状群を認めた．検査場面を通じ無力性同音性palilaliaが頻発し，心理的負荷がかかる場面で出現しやすかった，右手で机などを単調なリズムで叩くstereotypiaをともなっていた．会話場面で減弱型のecholaliaがみられた．生活上の症状として，同じ要求を繰り返すなどの脱抑制傾向が顕著であった．Palilaliaは病棟生活でも頻発し，しばしばstereotypiaをともなった．本症例のpalilaliaは心理的負荷がかかる状況，すなわち外界に対する情動的な反応を抑制することが必要な場面で顕著となり，言語反応に対する何らかの抑制機能の障害が基盤になっていると考えられる．
Keywords	同語反復, 反復言語, 反響言語, 反復行動, PES症状群
別刷請求先	〒950-3198　新潟市島見町1398番地　新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科　今村　徹 imamura@nuhw.ac.jp