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論文名 自己身体に選択的な定位障害を呈した頭頂葉萎縮例─自己身体部位失認の身体特異性の検証─
論文言語 J
著者名 鶴谷 奈津子, 大東 祥孝
所属 京都大学大学院人間・環境学研究科
発行 神経心理学:22(4),252─259,2006
受付 2006年3月8日
受理 2006年4月24日
要旨 自己身体部位失認(AT)は身体部位への空間定位が困難となる,身体認知障害の代表とも言える症候である.しかし,その症状が真に身体に限局して生じるのか,さらには発症基盤として身体に特化した機能を仮定してよいのか,という点についてはなお議論がある.そこで本研究では,両側頭頂葉萎縮例においてATの身体特異性を検討すべく,自己身体・他者身体・顔・非身体(動物・物品)を対象とした各部位の呼称/定位課題を行った.その結果,本例は自己身体部位に選択的な定位障害を示した一方で,身体部位の呼称が可能だった.このことからATの身体特異性が証明され,さらにその発症基盤として言語・意味的知識及び視知覚分析過程とは別の,身体に特化した処理機能の障害が示唆された.
Keywords 自己身体部位失認, 身体図式, 身体表象, 定位障害
別刷請求先 〒606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学国際交流センター大東研究室 鶴谷奈津子 n.tsuruya@t02.mbox.media.kyoto-u.ac.jp


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