学会誌

書誌情報

Full Text of this Article
in Japanese PDF (668K)
論文名 発達神経心理学からみた大脳の可塑性と認知機能の発達―小児における失語症,失読失書,左半側無視―
論文言語 J
著者名 宇野 彰1), 金子 真人2), 春原 則子3), 佐々木 征行4), 加我 牧子5)
所属 1)筑波大学大学院人間総合科学研究科
2)帝京平成大学健康メディカル学部
3)目白大学保健医療学部
4)国立精神・神経センター武蔵病院
5)同 精神保健研究所
発行 神経心理学:23(1),29─36,2007
受付
受理
要旨 本研究では,小児期において局所性の大脳損傷を受けた高次機能障害児を対象に神経心理学的検査を実施し,言語機能側性化の時期,方向性注意や読み書きに関する機能が局在される時期などについて検討した.2歳半で左大脳半球損傷にて失語症が認められ12歳時にも失語症が持続している症例がいることから,2歳半までに左大脳半球に言語機能が側性化されている可能性が示唆された.出生6,7時間後に無呼吸発作が出現し,その結果右大脳半球に損傷が認められた児童は6歳時にも左半側無視症状が認められていた.方向性注意機能に関する出生後早期での局在化が示唆される症例であった.8歳で発症した小児の失読失書2例と先天性と考えられる発達性読み書き障害例とを比較した結果,少なくとも8歳時には言語的図形である文字と非言語的図形とは独立して発達している可能性が考えられた.
Keywords 小児失語症, 小児の半側無視, 小児の失読失書, 発達性読み書き障害
別刷請求先 〒305-8577 つくば市天王台1-1-1 筑波大学大学院人間総合科学研究科 宇野 彰 uno@human.tsukuba.ac.jp


Copyright © 2002 日本神経心理学会 All rights reserved
http://www.neuropsychology.gr.jp/