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論文名 事象関連電位(ERP)を用いた大脳高次機能の研究
論文言語 J
著者名 ト蔵 浩和
所属 島根大学医学部神経内科
発行 神経心理学:23(1),37─43,2007
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要旨 事象関連電位は外的刺激または内的事象により出現する電位であり,機能的MRIやPETなどに比べて,空間分解能に劣るものの,時間分解能に優れているという特徴がある.我々は人の大脳高次機能について,Go/NoGo課題を用いた前頭葉抑制機能と,新奇刺激の記憶課題において事象関連電位を用いて検討した.
LORETA法による電位源推定で,Go/NoGo課題のGo-P3は両側頭頂葉内側に,NoGo-P3は左前頭葉眼窩面から外側に,NoGo-N2は右前頭葉眼窩面と帯状回に電位源が推定された.また,パーキンソン病,PSP患者と健常人について比較検討を行った結果,パーキンソン病群では抑制性の事象関連電位が低下,PSP群では実行,抑制ともに低下していた.新奇刺激の記憶課題では,意図した記憶は260 msecの潜時で右前頭部において正解と不正解の差が認められた.これに対して意図しない記憶は右後頭部で360 msecの潜時において有意差が認められ,両者の記憶のネットワークに差が認められた.
Keywords 事象関連電位, NoGo, 前頭葉, 新奇刺激, 記憶
別刷請求先 〒693-8501 島根県出雲市塩冶町89-1 島根大学医学部神経内科 ト蔵浩和 bokura@med.shimane-u.ac.jp


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