論文名 |
健忘症患者における日常行動評価リストの開発 |
論文言語 |
J |
著者名 |
白川 雅之1), 増本 康平2), 友田 洋二3), 東山 毅4), 横山 和正5) |
所属 |
1)兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション中央病院臨床心理科
2)大阪大学人間科学研究科
3)兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション中央病院神経内科
4)同 言語聴覚療法科
5)兵庫県立西播磨リハビリテーションセンターリハビリテーション西播磨病院神経内科 |
発行 |
神経心理学:23(1),49─57,2007 |
受付 |
2004年10月29日 |
受理 |
2006年5月29日 |
要旨 |
今回,我々は治療者や家族が健忘症患者の日常行動を評価するためのリストを開発し,そのリストの信頼性及び妥当性を検討した.対象者は健忘症患者の介護者68名で,介護者の自由記述に基づいて作成された健忘症患者の日常生活の問題27項目を4件法(1点:できない,2点:指示監視があればできる,3点:手帳や時計などを使用すればひとりでできる,4点:手帳や時計を使用しなくてもひとりでできる)で評定した.その結果,1)探索的及び検証的因子分析によって1因子10項目が選択され,得られた因子を「日常行動能力」と名づけた.2)調査―再調査による相関係数は有意だった.3)日本版日常記憶チェックリスト(数井ら,2003)の合計得点と今回開発されたリストの合計得点との相関は有意だった.4)完全社会復帰群の本リストの合計得点は,部分社会復帰群及び在宅療養群に比べ有意に高かった.以上のことから,今回開発された日常行動評価リストは,信頼性,構成概念妥当性,基準関連妥当性,予測的妥当性の高いリストであり,健忘症の結果生じる日常生活の問題を検出するのに有効であることが示唆された. |
Keywords |
日常行動評価リスト, 健忘症患者, 信頼性, 妥当性 |
別刷請求先 |
〒651-2181 神戸市西区曙町1070 兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション中央病院 白川雅之
QZX03526@nifty.ne.jp |