学会誌

書誌情報

Full Text of this Article
in Japanese PDF (716K)
論文名 運動イメージの利用が拮抗失行の改善に有効であった脳梁損傷の1例
論文言語 J
著者名 杉山 あや1), 三村 將2)
所属 1)所沢リハビリテーション病院セラピスト室言語聴覚療法グループ
2)昭和大学医学部精神医学教室
発行 神経心理学:23(1),58─65,2007
受付 2006年4月13日
受理 2006年6月1日
要旨 脳梁損傷による拮抗失行例に対してリハビリテーションを行った報告は少ない.今回仮名単語に強い右手のジャーゴン失書と拮抗失行を呈した脳梁損傷例に,日常生活の支障を軽減するために,右手の仮名書字と電話操作の訓練を行った.行為を実現する前に右手の目的的な運動をイメージする訓練を行った結果,右手のジャーゴン失書と意図に反する行為に明らかな軽減がみられた.これらの障害の発現メカニズムと改善要因に関し検討した.行為実現の前に運動をイメージすることによって,補足運動野や上頭頂小葉が賦活され,左半球内で運動中枢の暴走に対する制御が働き,両手の協調動作を実現することに影響した可能性が考えられた.
Keywords 脳梁離断症状, 拮抗失行, ジャーゴン失書, リハビリテーション, 運動イメージ
別刷請求先 〒359-0002 埼玉県所沢市中富1016 所沢リハビリテーション病院セラピスト室 杉山あや aya-sugiyama@mvi.biglobe.ne.jp


Copyright © 2002 日本神経心理学会 All rights reserved
http://www.neuropsychology.gr.jp/