[第23巻第2号目次へ] Japanese/English

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論文名	伝導失語の要素を伴った進行性流暢性失語例の経時的検討
論文言語	J
著者名	石丸　美和子1）4）, 真田　順子2）, 小森　憲治郎3）, 池田　学3）5）, 田邉　敬貴3）
所属	1）菜の花診療所心理室 2）同　精神科 3）愛媛大学大学院医学系研究科脳とこころの医学 4）現　三島病院心理科 5）現　熊本大学大学院医学薬学研究部脳機能病態学分野
発行	神経心理学：23（2），144─150，2007
受付	2006年3月22日
受理	2006年10月10日
要旨	発症5年後から約2年間の経過中に健忘失語から伝導失語像を呈するようになった進行性失語例の臨床経過について検討した．発語面では当初喚語困難が主徴で，1年後には接近行為（conduite d'approche）を伴う字性錯語が顕著となり，2年後には言い直しをしても目的語に到達不能となった．書字言語についても漢字の音読困難や錯読に加え，仮名の読み書き障害を認め，字性錯書と特殊音節及び濁点・半濁点表記の誤りが著明であった．著しい言語機能の低下にもかかわらず，日常生活上の機能は保たれ，出来事の記憶や視空間認知操作も保持され，Mesulamの提唱するPPAに該当した． 進行性失語症者のQOLを低下させないためには，早期から失語症状を正確に把握することが重要と考えられる．
Keywords	原発性進行性失語, 健忘失語, 伝導失語, 神経心理学的検査, 経時的検討
別刷請求先	〒940-2302　新潟県長岡市藤川1713-8　三島病院心理科　石丸美和子 ishimarumiwa@ybb.ne.jp