論文名 |
アルツハイマー病におけるMMSEの年次変化率―物忘れ外来における在宅療養患者を対象とした検討― |
論文言語 |
J |
著者名 |
臼木 千惠1), 磯部 史佳1), 佐藤 厚2), 今村 徹1)3) |
所属 |
1)新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科
2)新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部言語聴覚科
3)同 神経内科 |
発行 |
神経心理学:23(3),191─199,2007 |
受付 |
2006年4月19日 |
受理 |
2006年12月7日 |
要旨 |
物忘れ外来におけるアルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)患者のMMSE得点の1年間の変化を求め,認知機能障害に影響を与える要因との関係を検討した.新潟リハビリテーション病院神経内科(物忘れ外来)を初診し,初診時MMSEが10点以上で,1年後にもMMSEを施行した在宅療養中のAD患者59症例を対象とし,MMSE得点の1年あたりの変化率と,患者属性,疾患属性,神経精神症状,治療的介入,介護支援サービス利用との関係を検討した.対象患者の初診時平均年齢は79.7±6.6歳,平均MMSE得点は18.8±3.7であった.MMSEの年次変化率の平均は-0.3±2.6(-5.8~4.9)であった.初診時のADAS減点が大きいほど1年後のMMSEの低下が有意に大きく,1年後ショートステイを利用している患者の方が1年後のMMSEの低下が有意に大きかった.過去の研究のmeta-analysisでは,MMSEの年次変化率が-2.6±3.5であると推定されている.本研究の変化率が-0.3±2.6と小さかった理由としては,対象患者の年齢がこれまでの研究より高齢であること,全対象患者に系統的に非薬物治療としての家族指導が行われていることが考えられた. |
Keywords |
アルツハイマー病(AD), MMSE, Alzheimer's Disease Assessment Scale(ADAS), ショートステイ, 家族指導 |
別刷請求先 |
〒950-3198 新潟市島見町1398番地 新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科 今村 徹
imamura@nuhw.ac.jp |