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論文名 |
社会的認知を支える神経ネットワーク |
論文言語 |
J |
著者名 |
村井 俊哉 |
所属 |
京都大学大学院医学研究科脳統御医科学系専攻脳病態生理学講座(精神医学) |
発行 |
神経心理学:23(4),243─249,2007 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
人に備わった社会的情報を扱う優れた能力(社会的知性)を支える脳構造についての研究が最近急速な進歩を遂げつつある.社会的認知の研究は,偏見,共感性など,私たちの実生活上の関心と密接に関連したテーマを神経科学の俎上に乗せる.そのような社会的能力を支える神経基盤あるいは処理過程が専ら社会的情報・刺激に関わるのか否かという問題は,社会的認知の情報処理機構を考える上で最も重要な論点である.社会的認知を支える神経ネットワークとしては,扁桃体,上側頭溝領域,側頭頭頂接合部,内側前頭前皮質などの脳領域とその連絡が重要であるが,加えて,脳全体の作動原理としてのミラー・システムが他者の直接的理解の神経基盤となっている可能性が指摘されている. |
Keywords |
社会脳, 社会的認知, 扁桃体, 内側前頭前皮質, 心の理論, ミラー・ニューロン |
別刷請求先 |
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部附属病院精神科神経科 村井俊哉
murai@kuhp.kyoto-u.ac.jp |
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